さてさてようやく石膏ボード壁上にキャットウォークを自作する環境が整いました。
最初の下準備だけがちょっと大変ですが、そこさえ乗り切ればあとは数を増やすだけの単純作業なので頑張っていきますよ~。
※当記事は続きモノです。
- 壁に穴を開けずにキャットウォーク自作に挑戦
- キャットウォーク自作の前に”変則”キャットタワーでベースの足場作り
- 石膏ボードの壁に穴を開けずにキャットウォークを自作してみた ←いま見ている記事
どこにキャットウォークを作る?
なんでここまでネタを引っ張るようなことになったかというと、そもそもキャットウォークを作る場所が問題だったんです。
というのも今回キャットウォークを設置したい場所というのが下の画像の赤で囲った部分。
ご覧になってわかるように、壁がもので埋まっているため猫がキャットウォークまでたどり着けないという事情がありまして。
それでまずはキャットウォークにたどり着くまでの”ベースキャンプ”作りから始めなきゃならなかったというわけです。
次なる問題点が、我が家の壁が石膏ボードだということ。
石膏ボードってネジを差し込んでもクギを打ち込んでもすぐにボロっと取れちゃいますでしょ。
だからといって石膏ボード専用のネジを使うと大きな穴が開いちゃいます。
こういうのね。
それはイヤだなぁと思っていろいろ調べていたらいいのがあったんです。
それがホチキスを使ったやり方でした。
ホチキスだけで壁掛け可能?
実はキャットウォーク自作に先立って、以前から「これ、買ってみようかな」と思っていた商品があったんです。
それが”ホチキスだけでテレビを壁掛け可能なTVセッター壁美人”という商品。
ホチキスで留め金具を石膏ボードに固定しそこに薄型液晶テレビをひっかけることで”壁掛けテレビ”を実現させるというものです。
動画を見ると強度はかなりありそうなんですよね。
ということはですよ、今回の石膏ボード上へのキャットウォーク設置もこれを応用すればいけるんじゃないかと。
そこでさらに調べていったら…ありましたよ。
壁掛け収納用の”壁美人”という商品がね。
私が購入したのはこちらの「壁美人P-8(12kg用)2枚セット」と「受け金具(12kg用)」になります。
(※大きさ・耐荷重など詳しいことは後ほどご紹介します)
なお今回使用する”壁美人”は石膏ボード専用品になります。
石膏ボードといってもいくつか種類があります。
”壁美人”が使えるのは虫ピンなどを刺すとズボッとすぐに刺さるような柔らかい石膏ボード上になります。
(まれにピンが刺さらない硬質石膏ボードというのもあるそうです)
壁に虫ピンを刺してみて先端に白い粉のようなものが付くようなら一般的な石膏ボードと言えます。
石膏ボードの内側に”金具(骨組み)”が入っている箇所はホチキスが刺さりません。
見分け方としては虫ピンをいちいち刺して入るかどうか確認するやり方のほかに、金づちを使って確認するという方法もあります。
石膏ボード上で金づちを軽く叩くと、内側に何もない場合は(中に空洞がある感じの)低い音で”ポコッポコッ”という音がします。
一方、内側に金具がある場所では軽めの音で”コンコン”という音がします。
そういった場所には”壁美人”は使えないので、キャットウォークを設置する場所を予め調査しておいた方がいいでしょう。
キャットウォーク制作
先にキャットウォーク(試作品)の完成品をお見せします。
石膏ボード上にホチキスで打ち込んだ壁美人に自作キャットウォークを引っかけただけの単純構造です。
- 金具(壁美人)に引っかけてるだけなのでキャットウォーク自体はすぐに外せます。
- 金具(壁美人)もホチキスで留めてあるだけなので外すことも簡単です。
- ホチキス留めなので、外した後も穴が目立つことはありません。
(近づいてよくよく見ればわかりますけど)
キャットウォークの作り方はいろいろあるでしょうが、今回は木製棚受けに板を渡すというシンプルなやり方にしてみました。
まずはキャットウォーク作りから。
こちらから始めた方が寸法がきっちり出せます。
その寸法に合わせて”壁美人”を壁に取り付けていきます。
材料
キャットウォーク作りに際して材料選びにはかなり迷いました。
基本は材料費が”安い”こと。あまりお金はかけたくありませんからね。
お金をかけてもいいっていうなら市販のキャットウォークを購入した方が断然便利です!
そしてある程度の強度は保ちながらも”軽い”ってことも重要です。
壁上に掛けるものですから、自重で落ちちゃうなんて憂き目には逢いたくないですもの。
そんなわけで今回選んだ材料がこちら。
(クギとかネジ類は若干多めに用意してます)
猫が乗っかることになる土台(平板)は600×450×5mmの合板(ベニヤ板)です。
それを半分に切って(300×450mm)横幅45cmとして使います。
(長さや大きさはもちろんこれに限ったことではありません)
ホームセンター等で売ってる安い合板(ベニヤ板)は反ってる板がけっこうあります。
適当に選ぶんじゃなく1枚1枚手に取って反りがないかどうかを確認してから購入するといいですよ。
白木(900×60×12mm)も半分に切って(長さ45cm)おき、合板と白木は猫が怪我をしないよう角を紙やすり等で滑らかにしておきます。
合板と白木を木製棚受けに”装着”していきます。
今回使用する木製棚受けですが、クギだけで棚受けと白木をくっつけていくと強度に問題がありそうなのでネジ締めができるよう予めネジ穴が開いたものを選んでます。
(木製棚受けのサイズは290×290mm)
組み込み – 補強版
この木製棚受けに補強版の白木を取り付けます。
ただし注意しなければいけない点がひとつあります。それがネジの下穴開け。
釘などをいきなり打ち込むと木材の筋に沿ってヒビが入る場合がありますでしょ。
それはネジも同じことで、白木に無理やりねじ込んでいくと木が割れる恐れがあります。
そのため事前にネジが通りそうな部分にキリなどで下穴を開けておきます。
下穴をあけたところでネジ締めしていきます。
(使用ネジについては後述)
下穴あけやネジ回しには電動ドライバが大いに役に立ちます。
日曜大工用に1台は持ってた方が絶対便利ですよ。
ネジ用の穴あけが不十分だと板が割れる恐れがあると書きましたが、こちらが実際に”やっちゃった”図です。
下穴の深さが不十分だったがために板にネジを押し込む途中でヒビが入っちゃいました。
(慌ててガムテープで補強してます)
ネジ留めした箇所は全部で4ヵ所。
ネジ系について
ネジ穴付きの木材を購入した場合、どのサイズのネジを購入したらいいのかわからない方もいらっしゃるでしょう。
そんなときのために簡単な調べ方をお教えします。
ネジを購入する時、まず何に悩むかと言うと「M4」とか「M5」といった表記かと思います。
今回の例で言えば、左側がM4で右側がM3のネジになります。
(Mという数字があるものもあれば下画像のようにないものもあります)
ネジサイズが指定されてればそのサイズを購入すれば済みます。
でもサイズ指定されてない場合は自分で調べて購入する必要があります。
今回使った木製棚受けにはネジ穴が最初から開いてました。
ではどのサイズのネジを購入すればいいのかというと…穴の直径を測れば見当がつきます。
実際に測ってみるとネジアタマの直径は8mm、ネジ穴の直径は4mmありました。
この場合ネジ穴の直径がネジのサイズになり、4mm=M4のネジと言うことになります。
実際に木製棚受けと白木はM4のネジで締めているんですが、そのネジの直径を測ってみると4mm、ネジアタマは8mmあります。
(ネジの長さは木の厚み次第で調整します)
ついでにネジアタマの形状ですが、今回使ったのは通称”皿ネジ”と呼ばれるネジです。
”お皿”のような形状なので皿ネジと言われるんですが、特徴はでっぱりがない(てっぺんが平ら)こと。
ネジに猫の毛や皮膚がひっかかるのを防ぐために皿ネジにしてます。
組み込み – 土台
猫が直接乗っかる部分には安くて加工も簡単な厚さ5mmの合板(ベニヤ板)を使ってます。
こちらは木製棚受けの”上”に装着するので、ネジ留めではなくクギ打ち(4ヵ所)だけでも充分かと。
(ヒビ割れ防止用に白木への下穴開けは必要です)
ただし使うクギは猫の怪我防止用にやはり頭が平らなクギを使います。
またクッション材として厚手の両面テープを板と合板の間に貼ってます。
またしても失敗談を一つ。
土台となる合板(ベニヤ板)は必ず”木目”を気にしましょう。
こちらよく見ると、合板の木目が接着板と同じ向きになってますでしょ。
これだと強度が弱くなるんですよね。
今回は横幅450mmと短めだったのでなんとか乗り越えられましたが、もっと長めのものを作りたい時はこの”木目”では猫が乗ったときに割れてしまう危険性があります。
私は合板を購入して半分に切って白木と合わせた時に初めて気づきました。
ヤバっ、これじゃ”目”が反対だ!
実際に何度も手で押してみて「なんとかギリギリ大丈夫そうかな」という感触ではあったんでそのまま続行しましたが、本来ならこの”目”はきっちり確認すべき点です。
組み込み – 壁美人用受金具
続いて”壁美人”に引っかけるための金具の取り付けです。
今回は壁美人P-8(12kg)用の平型金具(P-8)というのを使ってますが、他にも「段型」や「L字型」といった種類もあります。取り付けるものの構造によって使い分ける感じです。
引っかける位置に合わせて(指定の)M3のネジで留めていきます。
(白木側には予め下穴を開けてます)
これで大枠は完成です。
本当ならここでつや消しとか塗りたかったんですが、猫に無害の塗料がいまいちよくわからなかったので今回はやめにしました。
それに万が一猫が嫌がるにおいだったら元も子もないですからね。
組み込み – スペーサー
最後はスペーサーの取り付けです。
スペーサーというのは物と物の間にはさんで空間を確保(調整)するための小物です。
下の図をご覧ください。
完成したキャットウォークを実際に壁に取り付けようとすると、壁美人と受け金具の厚みの分だけキャットウォークが傾いちゃいます。
さらに素材が木でできている分、猫がキャットウォークに乗れば猫の重みでどうしてもたわみ(傾き)が生じる可能性も出てきます。
そのため壁にくっつく白木の下側に、傾きを調整するためのスペーサーを付けてみました。
今回は実際の厚み分(受け金具の厚み)+木のたわみも考慮して、若干大き目(長め)のスペーサーを取り付けてあります。
大き目のスペーサーなら仮に猫がキャットウォーク上で寝てしまっても体重が壁側にかかることになるので、いつのまにか手前に落ちちゃったなんて心配はなくなるでしょう。
(寝相が悪くて落ちる可能性は残ってますけど)
またスペーサーをつけないと壁に直接木が当たってカタカタして不安定です。
ゴム製のスペーサーならクッションの役割もして安定性が増します。
”壁美人”の設置
キャットウォークが完成したところで、次はそれを壁に引っかけるための”壁美人”の設置です。
キャットウォーク背面に付けた2枚の”受け金具”間の寸法を測り、それに合わせて壁に”壁美人”を設置していきます。
寸法通りに設置するやり方としては、マスキングテープなどを使って仮位置を調整し、ホチキスを2ヵ所ぐらい打って壁美人を仮止めします。
そこにキャットウォークを当ててみて、位置を微調整しながらホチキスの針を打ち込んでいくとズレを最小限に抑えられます。
※壁美人の取り付け方法
これで今回の自作キャットウォークは完成です。
実際に設置してみたらさっそく興味を示した猫が乗っかりにやってきました。
しかもタイミングよく届いたAmazonの梱包資材がこれまたサイズがぴったり!
寝床としても充分使えそうなキャットウォークでした。
作り方のコツはわかったので、あとはバリエーションを変えて増産するだけ。
その際、気を付けなきゃいけないのが壁美人の大きさです。
”壁美人”の大きさについて
壁美人は耐荷重によっていくつか種類があります。
今回使った壁美人は金具サイズがP-8というもので1枚の耐荷重が12kgと猫1匹程度にしてはかなり強度の高いものです。
ただしこれにはちょっとしたカラクリがあります。
こちらの表をご覧ください。
仕様を見ると耐荷重12kgというのは、奥行(A)よりも高さ(B)が10倍以上のときのものなんですね。
この”方程式”を元に算出すると今回のキャットウォークは”1倍”の計算になり、1枚当たりの耐荷重が1.2kg!とかなり低くなってしまいます。
実際には2枚使っているので合計でも2.4kg。
でもうちの猫、現在4.5kg!あるんですよ。
そこに材料の重さが加わったら5kgは超えちゃって思いっきり耐荷重超え!じゃないですか。
かといって24Kタイプの壁美人はちょっとデカすぎだし。
解決策としてはBの長さを長くとって”耐荷重を増やす”ことでしょうけど、そんな都合のいい木材はそうそうありません。
結論としては猫がキャットウォーク上に常駐するわけでもないだろうし、荷重も板上にうまい具合に分散されそうだし、何度も手で押しても壁美人が外れそうな気配はゼロっぽいし…そんなわけで12K×2枚でもなんとか大丈夫だろうとの勝手な考えで作っております。
(実際に猫が乗ってもびくともしないので多分?大丈夫でしょう)
不安であれば1個上の18K(P-12)にしとくとか、この辺は猫の体重や”猫の性格(暴れやすいとか)”次第になります。
Amazonや楽天でも購入できます
材料費一覧
かかった主な材料費はこちら。(税込概算&送料等は含まず)
壁美人(P-8×2枚セット) | 1,370円 |
---|---|
P-8壁美人用平型受け金具(P8×2枚セット) | 530円 |
合板(600×450×5㍉) | 600円 |
白木(900×60×12㍉) | 630円 |
木製棚受け(2個) | 700円 |
クギ&ネジ類(※価格は使用分のみの概算) | 600円 |
合計 | 4,430円 |
最初の構想では3,000円ぐらいで収めるつもりでしたが結果としては4,000円越えになってしまいました。
この価格が安いか高いかは正直微妙なところです。
それでも頭に描いた通りのキャットウォークが作れたという満足感から言えば決して高い買い物とは思いません。(負け惜しみじゃないですよ~)
それに作る数を増やせば木材やネジ類は使い回しもできるのでその分いくらかは安くなるでしょう。
次からは棚受けの大きさや土台になる合板の大きさなどを変えつつ、バリエーションのあるキャットウォークを作っていきましょうかねぇ。
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